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親の働く姿

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子育ての観点からも、父親・母親の働く姿を子どもたちに見せることは意義あることだと思う。

出来れば楽しそうな姿、熱意あふれる姿が良いだろう。子供たちが将来自分が働くことについてポジティブな印象を育めるように。

 

当の私は、子どものころ父親の働く姿を見たことは無かった(母親は専業主婦だった)。父は大手保険会社の営業職で、全国津々浦々へ出張や転勤も多かった。

僕たち子ども(3人兄弟)が起きる前に出かけ、寝た後に帰宅するのが日常だった。

あまりに父子のコミュニケーション機会が少ないことを気にしてか、一時期だが父と子どもたちとで交換日記をつける習慣があった。

疲れた体で書いたのだろうそれでも丁寧な父の文字を、毎朝母に読んでもらうことが楽しみだった。

とにかく忙しそう。でもいったいどんな仕事をしているんだろう。ぼんやりと想像するしかなく、具体的なことは何一つ分からなかった。

 

ある日(私が中学生の頃だったと思う)、父が何度目かの転勤の際、勤務していた支社の部下たちが書いたのだろう寄せ書きの色紙を父が持ち帰ってきたことがある。(当時の父は支社長だったので、色紙の書き手は部下たちのものと想像できた)

その色紙は私たちに見せられたものではないが、部屋にポンと置いてあるのをこっそり見たことがある。部下から父は、どのようなメッセージを受け取ってきたのか。ドキドキした。

 

「私は生まれ変わったら、〇〇(苗字)さんのような人になりたい。心から感謝いたします」

 

たくさんのメッセージの中に、そのような言葉を見つけた。

 

驚いた。絶対的な賛辞。これ以上ない尊敬の念が短い言葉から感じ取れた。

仕事面の感謝の気持ちをはるかにこえ、人生・人格的に目標とされていることが、

短い言葉ではっきりと書き伝えられている。

 

嬉しかった。忙しそうだけど何をしているのか分からなかった父は、外で大人たちに良い印象を与え、尊敬もされていた。

仕事内容などまったく分からないままだけど、ただそのことが嬉しかったのだ。

 

あれから25年経ち、私も2人の子供の父になった。

大手企業の社員として、今は2度目の海外赴任中(アメリカ)で忙しく働いている。

部下を持つのはまさにこれからだ。父が部下から受け取ったような言葉を、私も受け取れる日が来るだろうか・・・。はるかはるか先に父の背中がぼんやりと見える。

 

この間会社の(務める拠点の)20周年記念イベントがあり、家族を職場へ連れて行った。(幼少期の私は経験できなかったことだ)

アメリカンローカルに日本文化を紹介する意味合いが強く、出向者の日本人が折り紙や習字などをレクチャーしたりした。私は折り紙担当。手際よく鶴や手裏剣を作って見せた。

 

それ以来下の子(当時3歳)は、「おとうさん、かいしゃでおりがみしてるんだね」

と本気で思っているようだ。折り紙のプロ、アメリカ赴任中!である。

 

目指す先は、まだまだ遠いのだ。

 

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