まなび、かく、ブログ。

まなぶことは、生きること。

過去の失敗や叱責された経験の呪縛から解放される考え方

師範

『休暇の家族旅行はどうだった?』

 

門下生

『ええ、ハワイはやっぱり良かったですよ!

 

・・でも、リゾートって普段よりのんびりする時間ができるから、その分色んなことを考えてしまうんですよね。

ポジティブなことだけでなく、ネガティブなことも・・』

 

師範

『今回も、休暇中にネガティブなことを考えてしまったわけだな』

 

門下生

『そうなんです。

最近の私の業績は悪くないはずです。

例の案件も成功させたばかりですし、その件について得意先や部長からも上々の評価を得ました。

だから最近の気分はとても良いはずなのに、休暇中に頭に浮かんでくるのは、

もっとずっと過去の、若手時代の失敗のことだったりするんです・・』

 

師範

『続けてくれ』

 

門下生

『その、まだまだ一人前に仕事ができなかった時代のことです。

多くの失敗や、それによって厳しい人たちに叱責を受けたり、

それによってひどく落ち込んだり、

意欲を大きく落としてしまったり・・・・

出来れば思い出したくない、暗い過去です。

 

ふとした拍子に、そのころ人に言われてショックだった言葉や、

その人たちの顔、

それを周りで見ていた人たちの、物言わぬ顔・・・

 

そんな記憶が・・もう何年も前の話なのに、自分でもおかしいと思います。

脳の引き出しから、わざわざそんな記憶を選んで取り出してきてしまう、

そんな自分がいるんです。

私は、どうかしているのでしょうか?』

 

師範

『過去に縛られている、という感じだな』

 

・・・

 

『だが私が保証する。君は変わった。君自身がその変化を一番よく分かっているはずだ。

君は変わりたくて、自分の意志で変わり方を模索して、

方策を一つ一つ試して、具体的な実行に移し、自分のものへ変えてきた。

自分を改良し続けてきたのだ。

それを、《成長》と呼ぶ』

 

門下生

(目に涙を溜めている)

『師範・・・私は、本当に成長しているのでしょうか?

確かに、自分を改良しようと努力を続けてきました。

そうした自負はあります。

ですが、ふとした拍子に顔を出す過去の苦い記憶、そこからくる不安、恐れ、マイナスの感情・・・

そういうものが出てくるたびに心のどこかで思ってしまうんです。

またあの頃の自分に戻ってしまうんじゃないか。

また同じ失敗をしてしまい、成長など本当はしていなかったことを

思い知らされてしまうのではないかって・・・

何かそう考えると、急に不安でたまらなくなるのです』

 

師範

『よく話してくれたな。

誰しも、大なり小なり過去の苦い経験に縛られて生きていたりするものだ。

君が特別だということではない。』

 

『そしてこれは100%断言できることだが、君は成長した。

自分を改良する努力を継続する、そのことで人間が成長しないことは100%ありえない。

自然の法則上、ありえないことなんだ。

だから過去と似たケースに遭遇したとしても、君の対応は間違いなく変わっているはずだ。断固として信じるのだ。君がしてきた努力を、自分で100%肯定してやれ』

 

『それから、

過去は変えられない。

だから過去のことをくよくよといつまでも悔い嘆いていても、まったく意味がないし、

何も生み出さない。

それなら、《過去に起きたことは、全て良かったこと》と考えるんだ。

不安が残るかもしれないが、その考えを自分自身が絶対的に肯定するんだ』

 

門下生

『過去に起きたことは・・・すべて・・・良かったこと・・・?』

 

師範

過去の出来事から、何かを学び取り、それを糧にして、自分を改良させるという行動を選び取る限り、その通りだ

 

・・・そして君は何年間も、そのような行動を選び取ってきた。そうだろう?』

 

門下生

(涙が一筋、頬を伝う)

『そうだと、思っています』

 

師範

『君も知っている《7つの習慣》に、第一の習慣として《主体的である》というものがあるな』

 

門下生

『刺激に対し、反射的に反応せず、自覚的に行動を選択する・・・

 

ですよね!師範に教わりましたから!』

 

師範

『その通り。

自分が変えられること。《自分の影響の輪》を意識して行動するのだ。

自分が変えられるのは、自分の行動だけ、だからな。

 

《過去に、ここではないどこかで、他人に言われたこと》

これは100%自分の影響の輪の外の話だ。繰り返しになるが、思い悩むことに何も意味がないのだ。

 

これを、

《いま、ここ、自分》

に置き換えてみよ。これはすべて自分の影響の輪の中の話だ。

君が集中すべきなのは、いつだって《いま、ここ、自分》この一択だ』

 

門下生

『いま、ここ、じぶん・・・・

 

いま、ここ、じぶん・・・

 

いま、ここ、じぶん・・・

(何かの呪文のようなこの言葉を、彼は何度も何度も繰り返した)

 

語呂もよくて、いい言葉ですね!

師範、私は、過去の呪縛がまたやってきたとき、この言葉を発します。

 

そして、自分の意思と行動で積み上げてきた成長を思い、

また、この先の成長のことを思います!』

 

師範

『はははははははははははは!! その調子だ!! それで良い!!』

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