アメリカ人スタッフとのコミュニケーションがうまくいく!【5つのコツ】
大前提:相手へのリスペクトを忘れずに!
- 進んで頻繁に雑談する
- 大きな声で、ポジティブに話す
- 自分のスタンスを明確にする
- 裏表なく、分け隔てなく
- 英語力は最重要ではない。でも改良し続ける姿勢を見せることが大事!
会社の出向制度でアメリカのテネシー州で勤務し、
この8末でちょうど丸4年になります。
つくづく実感することは、
「ローカルスタッフとのコミュニケーションは、赴任生活の成否を分ける」
最重要課題の1つだということ。
アメリカ人の輪の中に、
ポンッと入る外国人としての出向者だからこそ、
否が応でもその言動に注目が集まります。
そのため、自分の言動に極めて自覚的であることが求められる世界なのです。
4年間の失敗や成功の経験から学び、身につけてきたことを、
「赴任初日の自分」に向けたメッセージのつもりで書いていきます!
さあ行きましょう。
大前提:相手へのリスペクトを忘れずに!
アメリカ生活で間違いなく重要なキーワードとなるのが、
「リスペクト」です。
簡単に言うと「尊重、尊敬、相手の価値を重んじる」ということです。
アメリカでは、幼児教育の段階から、
「リスペクト精神」を深く根付かせています。
私も2人の子どもが現地校に通っているので、
先生や保護者による「子どもたちへの接し方」からそれらを実感してきました。
幼児であっても、一人の人間として対等に扱う、
そして「あなたにはそのように扱われるだけの十分な価値がある」ことを
はっきりと言葉で伝えます。
「みんなちがって、みんないい。そしてそれは当たり前のこと」という感じです。
その様に教育されて大人になったアメリカ人にとって、
「相互にリスペクトしあうこと」はビジネス上でも大前提となる価値観なのです。
では、ここから具体的に、
アメリカ人スタッフとのコミュニケーションを良好にするために
重要なポイントを5点にまとめ、解説していきますね。
①進んで頻繁に雑談する
アメリカ人は雑談が大好き!
どんな小さな話題でも、話を広げて雑談に乗ってくれる人が多いです。
バケーションや休暇にからめた話はもちろん、
フットボールや、庭仕事、食事、まで何でも話題になります。
おススメのレストランや旅行先をこちらから質問するのも良い話題です。
こちらから雑談をしかけて、
嫌そうな感じを出されたことは、4年間でただの1度もありません。
ローカルスタッフも、出向者とのその様な会話を望んでいるのです。
コツは「自分から進んで」「短く頻繁に」です。
相手は喜んで、プライベートを含め色んな情報を開示してくれるでしょう。
笑いで〆れば、最高。
その後にちょこっと仕事上の確認、フォロー、指示をおこなえるとスムーズです。
雑談、侮るなかれ!
②大きな声で、ポジティブに話す
アメリカでは「ポジティブ」であることが特に評価されるように感じます。
苦境に立たされても、悲観的になることなく、
「チームメンバーを鼓舞し、
エネルギッシュに立ち向かっていくようなリーダー像」が好まれる。
声がぼそぼそと覇気がなく、
ネガティブな印象を与えてしまうと、
こちらでは全く評価されないのです。
日本人はえてして職場で大人しかったり、
不平・不満・悲観をこぼしてしまったりしがちですが、
アメリカで働くにあたっては、十分注意したほうが良いと思います。
このような点を、ローカルスタッフは驚くほど注意深く観察しているものです。
意識的に、大きな声で、
ポジティブなメッセージを
発信していくことで、
ローカルスタッフの協力が得られやすくなります。
その様にふるまうことで、自分自身が元気づけられ、
成果を出しやすくなる、とも考えています。
③自分のスタンスを明確にする
What do you think?(お前はどう思う?)
アメリカ人スタッフと仕事を進めるうえで、
このようにストレートに問われることがとても多いです。
ここでは、
あいまいにお茶を濁したり、
空気を読んで何となく相手に同調するような発言は
全く価値を持たず、求められていません。
プロフェッショナルであるあなた個人の、
明確な意見を発信することのみが求められているのです。
YESなのか、NOなのかをまず述べたうえで、
その理由と理由を裏付ける根拠などを順序立てて話します。
分からない、判断できないのならば、
ごにゃごにゃ言わずにはっきりと、
「分からない」「判断できない」と言い、
出来れば
「どうすれば分かる」「どうすれば判断できる」というように
次のステップにつながる、議論を展開できる方向に持っていくとよいです。
ここでも、②のポジティブな姿勢が好まれるのです。
出向者はこの繰り返しで鍛えられる、と思っています。
常にWhat do you think?に耐えうる意見を持ち合わせている必要があるからです。
そのため、
会議など「自分の考えを問われる場」に臨む際は特に、
Wordなどのメモ書きに、自分の思考を整理して臨むことにしています。
「意見を持たない出向者」はローカルに必要とされないのです。
④裏表なく、分け隔てなく
これは日本でもどこでも、
人に信頼されるためには重要なことだと思いますが、
「裏表」「分け隔て」を外国で実践してしまうと、
出向者は一気に信頼を失いかねません。
よくある過ちが、
「ローカルに発信する内容」と
「日本人間コミュニティで発信する内容」に
乖離があり、
そのことがローカルの耳に入ってしまう、というものです。
先に触れたように、
ローカルは出向者の言行を驚くほどよく観察しているものなので、
このような「乖離」は必ずと言っていいほどローカルの耳に入ります。
普段から積み上げてきた信頼関係も、
「ああ、この人は普段愛想がよさそうだけど、
本心では何を考えているのか分からない」
そんな風に思われては、
一気に崩れていきます。
その先の業務にも支障をきたしかねないのです。
「発信するメッセージの一貫性」には十二分に気を付けるべきです。
そもそも、
「日本人だけで話している姿」をなるべく
ローカルの前にさらすべきではないと考えています。
彼らからすれば、日本語なんて完全な「宇宙人の言葉」。
何一つ言っていることを理解できないのです。
そんな宇宙人が、寄り集まって、
「ちらちらこちらを見ながら、何やら話している。笑っている。
何か俺たちに話せないことでもあるのか?」
無意味な憶測を生んでしまうもとです。
ローカルの眼前なら、日本人間でも英語でオープンに話をする必要があるのです。
⑤英語力は最重要ではない。でも改良し続ける姿勢を見せることが大事!
きれいで流ちょうな英語を話せることは、もちろんアメリカで仕事をするうえでとても大事なことではありますが、最重要事項ではありません。
上記の「①~④が全然ダメな、英語が完璧な人」よりも、
「①~④が素晴らしい、英語が残念な人」のほうが、
圧倒的にアメリカでうまくやっていけると思います。
また①~④が素晴らしければ、必然的にローカルスタッフとの会話量も増えて、
英語力も高まっていくものです。
そして、現時点で英語力が不十分だとしても、
「改良しようと努力中であること」であることが重要です。
その姿勢の有無を、ローカルスタッフは注意深く観察して見抜きます。
「昨年より英語が上達したね」などとローカルスタッフから言われることがあります。
彼らは敏感に、「出向者の英語力」をも観察しているのです。
業務の中で付加価値のある発言をしてリードしていくためにも、
英語力はとても重要です。
出向期間中も、常にレベルアップを図っていく努力が求められるのです。
よく会議中はほとんど発言せずに(できずに)、
会議後に日本人だけで集まって「あーだこーだ」と
言っている出向者を見受けますが、これはまさに最低です。
このようなことをしていると、信頼を得ることは極めて難しくなるでしょう。
ローカルスタッフも腹の中では「日本に帰ってくれ」ぐらいのことを思っているでしょう。はっきり言って、当然のことだと思います。
私自身、出向前はTOEIC 800点程度で渡米しましたが、
最初の1年間は、かなり苦労しました。
会議の展開についていけない。
雑談についていけない。
アメリカでしっかり議論に参画しようと思ったら、
TOEIC 800点程度では全く太刀打ちできません。
そのようなテストの点数などとは全く別に、
「より実践的な慣れ」が必要になってきます。
この辺りは別の記事で詳しく書きたいと思っています。
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書いてきた中で感じたのですが、
これらは全て、何も外国人と接する際に限らず、
日本人間のビジネスにおいても
重要なことだと思います。
それらを否が応でも強く意識せざるをえない
「アメリカ出向」という立場だからこそ、
鮮明化されたのかも知れません。
読まれた皆さんにとって、
少しでも役立つ内容であったならうれしいです!
Have a good one!